02 ガンプラのスケールから実物のサイズを計算する
第二回の実験は、ガンプラのサイズを測って、実物(架空の実物だが)のサイズを算出してみた。
まず、前々から思っていた疑問、「ジャイアントバズーカとラケーテンバズーカの弾のサイズ」について計測、考察してみた。
まず、ドムの武器である、ジャイアントバズーカの弾の直径のサイズは360ミリであり、それを1/100スケールにすると弾の直径は3.6ミリとなる。たった3.6ミリだ!上の写真で、ジャイアントバズーカの上に並べて置いてあるのが3ミリプラ丸棒なので、スケール通りのジャイアントバズーカの砲弾があるとすれば、これよりも少し太い程度だ。
MGドムのキットに入っているジャイアントバズの砲口を見ると、かなり太く、3.6ミリどころではない。ただ、ジャイアントバズの砲口は砲身に比べて太くなっているので、砲身の最も細い所を計測する必要がある。そこで、砲口に装着するラッパ状のパーツ、C19に注目した。このパーツのラッパ状になっている細い方の直径を測ってみると8ミリだった。だが、これを100倍しても、800ミリで360ミリよりかなり太く、計算が合わない。しかし、このC19のパーツをよく見るとラッパの奥に丸いモールドが存在する。これは多分モールドではなくて、プラの成型の際に出来る、押し出しピンか何かの跡だと思うが、この丸いモールドがちょうど3ミリ程度なのだ。360ミリ砲弾のリアルなスケールを考えるならC19の中心に3.6ミリの穴を開口するのが正しいと言える。
ただ、ガンダムのアニメ映像を見ると、ジャイアントバズの砲弾はめちゃめちゃデカイのだ。それはもう360ミリどころではなく、直径1メートル以上はありそうな巨大な砲弾が発射されている。しかも、砲弾のスピードはかなり遅く、しょっちゅう連邦MSに避けられてしまう。これは多分「ジャイアントバズーカ」というネーミングから、単なるロケットランチャーとして描いているからだと思う。アニメ中では「ジャイアントバズーカ」はロケット弾を発射する為の筒として描かれていると考えてよさそうだ。
だが、MGの説明書にはジャイアントバズについて「キャリフォルニアベースの軍港施設の工場から360ミリ規格の弾頭が多数発見され」「本来は戦艦用のその弾頭を射出可能な装備としてジャイアントバズが造られる事になった」と書いてある。そう!どこにもロケット弾とは書いていないのだ。それどころか、戦艦用の弾頭とはっきり書かれている。もしMGの説明書を正しいと仮定するならば、ジャイアントバズはいわゆるバズーカにあらず、れっきとした砲なのだ。
弾頭がロケット弾ではなく、360ミリの戦艦用の砲弾であったなら、その初速はアニメで描写されるような遅いものではなく、かなりの高初速となるだろう。描写としてもロケット弾のように後ろから火を噴いて飛んでいき、さらに、敵MSにひょいひょい避けられるという事はありえなくなる。むしろ、陸戦型ガンダムの180ミリキャノンや、マゼラトップ砲などと同じようになるだろう。
では、ジャイアントバズがバズーカではなく、れっきとした砲であるなら、(これはガンキャノンのキャノン砲などにも言えるが)なぜあんなにも太いのか?形状もバズーカ風にするのではなく、砲身の長い、ライフル風にするのが普通だろう。
ここからは完全に推測になるが、砲弾直径に比べて、砲身が太い理由としては、
1.砲身の冷却が必要であり、その為の機能が収納されている
2.単に、砲身にも防弾機能を持たせる為に厚くしている
3.実は360ミリというのは弾頭本体の直径で、それよりも太い付属物が弾頭本体に付属している(発射後、付属物は分離するとか)
などが考えられる。 自分としては1と2の説の両方ではないかと思うが、このへんは資料がないので想像するだけだ。
ちなみにジャイアントバズが「砲」であった場合、360ミリという砲弾の直径以外に、砲身の長さも重要になる。砲身が長ければ長いほど、初速が増し、破壊力が増すからだ。そこで、ジャイアントバズの砲身の長さを測ってみると、全体で180mm、弾倉部分を除くと約160mmだった。短い方の160mmで計算してみると、砲身長16000ミリ÷砲弾直径360ミリで44.444・・・となり、計測時の誤差を考えると、ほぼ45口径となる。
つまりジャイアントバズは45口径の36センチ砲であるという事になる。これは旧日本海軍の金剛、榛名、伊勢などの主砲と同じサイズであり、最大射程は27800メートル、つまり27.8kmという事になる。もちろん宇宙世紀にはもっと技術が発達して射程距離も伸びているだろうから、かなりの長距離兵器となるだろう。ただ、ドムが戦艦のようにバズの仰角をとって、山なりの弾道で射撃をするのかどうかは分からないが。
結局、MGの説明書を見る限り、ジャイアントバズは砲である可能性が高い。360ミリという砲弾の直径と砲身の長さから計算しても、充分に長距離砲としての条件は満たしていると思える。しかも、360ミリという戦艦用の大口径砲弾は当然、戦艦を破壊する事を目的として開発されているはずで、MSには充分過ぎる破壊力を持つ兵器だと言える。また、初速も第二次大戦当時の36センチ砲で770m/sだから、宇宙世紀にはもっと高初速化されているだろう。
次にラケーテンバズーカだが、これがちょっと問題・・・
MGの説明書にはラケーテンバズはいわゆるロケットバズーカであると書かれている。これはまぁ問題ない。
だが、弾頭の長さが880mmと書いてある。しかし、上の左の写真で分かるように、1/100サイズで8.8ミリでなくてはならないはずのラケーテンバズの弾頭の長さは、17mmくらいある。つまり、実物では1700mmという長さになってしまう。また、直径は5〜6ミリで、100倍すると500〜600ミリというサイズになる。とにかくラケーテンバズの弾頭サイズは説明書とは一致しなかった。
ついでに、フィギュアやMSのサイズも計測。
フィギュアは1/20スケール、MSは当然1/100スケールで計算し、実物のサイズを算出してみた。
オルテガ 身長176センチ ウエスト112センチ 足のサイズ34.8センチ
シャア・アズナブル 身長172センチ(ヘルメット含む) 足のサイズ24.6センチ
ノリス・パッカード 身長164センチ 足のサイズ26.6センチ
ランバ・ラル 身長158センチ 足のサイズ28.6センチ
オルテガ以外は胴体と腕が一体化していて、ウエストは測れなかった。
しかし!みんな以外と背が低い。オルテガが176センチというのは信じられない!服の上からとは言え、ウエストが112センチって!ノリスやラルの身長も低すぎるような気がする。でもラルはハモンさんより低いからようわからん。
足のサイズはオルテガの足が巨大すぎ!34センチ?その身長でその足のサイズは気持ち悪い!あと、ラルとかノリスとか背が低くなるほど足のサイズがでかくなる法則を発見。シャアは女の子みたいな足のサイズだし(笑)
やはりデフォルメされたキャラを測って20倍しても正常な数値は出ないみたい。ただ、オルテガが大きくて、ラルは背が低くてお腹が出てるとか、大体の体型は再現出来ているみたい。
次にMSも計測。シャア専用ドムで色々測ってみた。
全高19m、ヒートサーベルも含めると22m
足の裏 8m×5.5m、(グフカスタムの足裏は5.2m×3.95m)
全幅(気を付けの姿勢時、両足のスカート端から端まで)13.5m
手のひらの長さ(指先まで)2.9m
手のひらの幅(指は含まず)1.5m
現代日本の道路事情から考えると、ジオンでも大型の部類に入るドムの全幅から考えると、一車線の幅が3.5mとして四車線くらいある道路なら全車線を使用して通れる。または、高速道路も一車線あたりの道幅が広いので2〜3車線使用して通れるだろう。2車線でも、路肩や、中央分離帯も計算に入れると通れると思われる。
だが、一般住宅街の路地にはほとんど入ってこられないし、2車線あるような道路でも、幅が狭く、道路のすぐ横に建造物があるような場合は、建造物を破壊せずに通行するのは困難だろう。また、一般の国道等では陸橋などの障害物が多そうだが、ほとんどまたいで通れば済みそうだ。
現代の日本の道路事情でドムなどの大型MSがスムースに通行する為には、やはり高速道路を利用するのが一番良さそうだ。神戸近辺では、道幅の広い中国自動車道や山陽自動車道がやはり適しているだろう。ただ、トンネルは自動車のサイズに合わせて作られていて通れないので、山越えをしたり迂回したりする必要がある。全ての道路が自動車のサイズに合わせて作られている現代ではMSでは通れない所がたくさんあるのだ。
まぁ宇宙世紀には道路の幅も大幅に拡張されている可能性は大きいが。
結論 ジャイアントバズは45口径の36cm砲で威力絶大のはず
キットのラケーテンバズの弾頭はサイズがおかしい
オルテガは意外と背が低く、足は34cmもある
シャアの足は女性並みに小さい
MSは現代の道路事情では通れない所が多い
二回目は実験というよりも検証になった。劇中ではドムのジャイアントバズの砲弾があまりにも遅く、あまりにも大きすぎて(装弾数が3〜4発しかなさそう)敵MSにひょいひょい避けられるという描写だったが、MGの説明書を基に検証すると上記のような結果になった。
これを読んだ人はこの結果を色んな所で広めて、ジャイアントバズの不遇ぶりを改善しよう!